2015年10月28日水曜日

回答に代えての3文書(民主党・市民連合議員会)【札幌 9月14日付け】「安全保障関連法案の廃案を求める意見書」に関する全市議会議員アンケートについて、

札幌市議会民主党・市民連合議員団の会長大島薫氏より、当会の「安全保障関連法案の廃案を求める意見書」に関する全市議会議員アンケートへのご回答に代えて、大部の文書を戴きました。

これには、当会がアンケートに取り上げた「安全保障関連法案の廃案を求める意見書」に対し、同議員団が行った賛成討論、及び第3回定例市議会において9月17日に否決された「安全保障関連法案の強行採決に反対し、慎重な審議を尽くすことを求める意見書」への同議員団による賛成討論と、9月19日に同議員団によって出された安保法制可決・成立に抗議する談話の3文書が添えられていました。

やや長くなりますが、 「各議員または議員団から戴いた回答は、内容に一切の加工をせずに市民の皆様と共有する」という方針を貫き、本記事の後部にその全文をご紹介いたします。
FAXとスキャンデータで戴いた本文書の内容を当会が忠実に電子化したものを、https://drive.google.com/file/d/0B1lPLEO_v_dfdXRqYnE3UGF3ajA/view?usp=sharing からもご覧戴けます。

大島議員はじめ、民主党・市民連合の議員団の皆様には、当会のアンケート調査活動に一定のご配慮を戴いたこと、9月19日に「成立」した安全保障関連法についてしっかりとしたお考えをお示し戴いたことに深く感謝致します。

ただし、残念ながら戴いた文書には、
  • 当会が同法との関連で注意が必要ではないかと考えている国連の旧敵国条項についてのご見解
  • 平和都市宣言をしている札幌市の市議会議員としてのご見解
  • 札幌市内にお住いの自衛隊員とそのご家族へのメッセージ
を見出すことができませんでした。

本文書からは、同議員団の皆様が民主主義を大切にお考えになっていることが強く感じられ、また民主国家にあっては、議員は市民からその政治姿勢に関する質問を受けた際には、その相手が誰であれ、またどのような質問であれ、回答する義務を負っています。

今後、同議員団の皆様から、上の事柄についてお伺いする機会を、当会は引き続き念願しております。

では、戴いた文書の全文を、以下に示します。

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地方自治を考える市民の会
代表深町ひろみ様

札幌市議会民主党・市民連合
会長大嶋薫


地方自治を考える市民の会・アンケートの回答について



 時下、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
 民主党・市民連合では「安全保障関連法」について、法案提出後から廃案にすべきとの認識に立ち、一致結束した取り組みを進めてきました。
 第2回定例市議会で7月17日に否決されました「安全保障関連法案の廃案を求める意見書」(案)についても、賛成討論を行うともに所属議員が一致して賛成票を投じております。こうしたことからアンケートの回答については、個々対応ではなく会派として回答をさせて頂きますことをご了承ください。
 なお、第2回定例市議会の意見書に関する設問がアンケートの主となっておりますが、国会においては同法が成立し、第3回定例市議会においても、9月17日に「安全保障関連法案の強行採決に反対し、慎重な審議を尽くすことを求める意見書」(案)が否決されております。
 こうした現状を踏まえ、回答については、私どもが議会で討論をした内容に包括されていますので、過去2回の討論原稿を送付させて頂きます。なお、参考までに民主党北海道が安保法制可決・成立に抗議する談話を発表しておりますので添付させて頂きます。

以上







2015年第2回定例市議会7月17日



安全保障関連法案の廃案を求める意見書(案)賛成討論


 私は民主党・市民連合を代表して、意見書案第10号「安全保障関連法案の廃案を求める意見書」に賛成する立場から討論を行います。
 安倍内閣は昨日、自衛隊の海外派遣を恒久化する「国際平和支援法案」と、集団的自衛権の行使を可能とする武力攻撃事態法改正案など10本の法案を一括した「平和安全法制整備法案」について、衆議院本会議で強行採決しました。
 戦後70年もの間、憲法9条にもとづき「集団的自衛権は行使できない」としてきた歴代内閣の憲法解釈を時の内閣の一存で勝手に変更することは断じて認められません。
 6月4日に開催された衆議院憲法審査会では、自民党の推薦を含む憲法学者3人全員が「法案は憲法違反である」との見解を示しました。さらには、国民の約8割が説明は不十分、半数近くが反対や慎重審議を求める国民世論の中で、各自治体議会からも反対や慎重審議を求める意見書が提出されております。こうした事にもかかわらず、強行採決に踏み切ったことは民主主義を否定するものであると言わざるを得ません。
 そもそも安倍総理は法案を国民に丁寧に説明し、国会においても真摯な議論を積み重ねる姿勢は見られませんでした。そのことは、米国議会において、法案の成立を約束したことでも明らかです。憲法違反の疑義がある法案にもかかわらず期限を切って、法案の成立を他国と約束することは、まさに国会軽視、国民無視の極みであります。
 また、安倍総理は100時間以上の審議をしたと言及していますが、11法案が提出されている中で1法案の審議はわずか10時間です。この審議においても事実上、100回も審議が中断されており、法案及び政府の説明が破綻していたと言わざるを得ません。まして、日本の安全保障政策の大転換をこの程度の議論で決定することなど到底許されるはずもありません。
 今回の安全保障関連法案は多くの問題が山積していますが、最大の問題は武力行使の新3要件とこれに基づく存立危機事態、すなわち集団的自衛権の限定行使が挙げられます。新3要件は便宜的、意図的な解釈変更であり、まさに立憲主義に反するものです。政府は砂川事件判決を根拠に持ち出しますが、そもそも集団的自衛権を視野に置いていない判決を根拠にすること事態が論外であり、1972年の政府見解を照らし合わせても、真逆の結論を導き出している新3要件は専守防衛を逸脱しています。ましてや、存立危機の認定は、「最終的には時の内閣が判断する」としているのであれば新3要件でいくら文言を並べてみても、政府が言う歯止めには全くなりえません。
 国会周辺をはじめ全国各地で抗議行動が続けられ、この声はさらに大きなものになっていくでしょう。このことは、法案に対する国民の理解が得られていないどころか、審議を通して法案そのものの危険性や曖昧さが国民に理解されている証左です。
 安全保障をめぐる国際環境が変化しているのは言うまでもありません。それに応じた安全保障政策を検討することは、政府の重要な責任です。しかし、個別的自衛権で対応できない事例とは、どのようなものかについて具体的な説明はなされておらず、仮に集団的自衛権の行使、他国軍への後方支援を必要と考えるなら、国民投票を含む憲法改正の手続きを踏むことが、民主主義国家として避けて通ることはできません。
 法案をこのまま成立させることは、憲法が権力を縛る立憲主義、あるいは戦後70年かけて日本が積み上げてきた民主主義を冒涜するものです。戦後日本は大きな犠牲を出した先の大戦の反省に基づき、専守防衛を柱にして安全保障政策を構築してきました。それを数の力で踏みにじる暴挙は、国民すべての思いである平和主義と憲法の理念である不戦の誓いをなきものにすることです。
 私たちが70年間享受してきた民主的で平和な日本社会をこの先も続けていくため、市民の声を真摯に受け止めながら平和への歩みを重ねることを誓い、同僚議員の皆さんの賛同を心からお願いして、安全保障関連法案の私の討論をおわります。



2015年第3回定例市議会9月17日

安全保障関連法案の強行採決に反対し、慎重な審議を尽くすことを求める意見書」(案)
賛成討論

 私は民主党・市民連合を代表して、意見書案第1号「安全保障関連法案の強行採決に反対し、慎重な審議を尽くすことを求める意見書案」に賛成する立場から討論を行ないます。
 安倍内閣は、後方支援の名の下に自衛隊の海外派遣を恒久化する「国際平和支援法」と、集団的自衛権の行使を可能とする「武力攻撃事態法改正案」など10本もの法案を一括改正する「平和安全法整備法案」の2本を安保関連法案としてまとめて審議し、昨夜から参議院での採決をめぐり緊迫した状況が続いています。昨日、横浜市で開かれた地方公聴会では、公述人から採決に抗議する意見が出されましたが、与党は公聴会の開催前に、参議院平和安全法制特別委員会の質疑で審議を打ち切る方針を確認し、委員会での質疑終了後に採決を行い、参院本会議で成立させる姿勢を示しています。
 安倍首相は、衆議院での強行採決の際に、国民の理解が進んでいないことを認めた上で、参議院において「丁寧な説明を行うよう努力する」と明言しました。しかし、参議院の審議においても丁寧な説明をする姿勢を見せることがないばかりか、審議を重ねれば重ねるほど法案の違憲性が浮き彫りになっています。命を脅かす危険性を懸念する国民の反対の声が日増しに大きくなっていることは、多くの国民が法案に対する反対の意思を示していると言わざるを得ません。
 安全保障関連法案に関する直近の世論調査結果においても、いまだ国民の約8割が政府の説明は不十分と言い、約7割は今国会で成立させる必要はないと答えています。さらに、半数以上が安保法案に反対あるいは憲法違反であると答えています。また、大多数の憲法学者、歴代の内閣法制局長官経験者が、違憲またはその疑いが強いと断じ、さらには「憲法の番人」である最高裁の元長官も、「憲法違反と言わざるを得ない」と指摘しております。
 全国各地では法案に対する国民の抗議運動が広がりを見せ、連日国会周辺にも大勢の国民が集まり、反対の声を上げています。戦後日本の安全保障の大転換を数の力で強行することは国民軽視であり、民主主義を否定するものと言わざるを得ません。国民の不安を払拭するためにも、良識の府と言われる参議院において冷静で慎重な審議が必要であります。平和を希求する市民の声を真摯に受け止めながら、戦後70年に渡り日本が培ってきた平和への歩みをこの先も進めていくためにも、「安全保障関連法案の強行採決に反対し、慎重な審議を尽くすことを求める意見書案」に対する同僚議員の皆さんの賛同を強く期待し、私の討論を終わります。



安保法制強行可決成立に抗議する談話

 安倍内閣は本日未明、自衛隊の海外派遣を恒久化する「国際平和支援法案」と、集団的自衛権の行使を可能とする武力攻撃事態法改正案など10本の法案を一括した「平和安全法整備法案」について、参議院本会議で強行可決・成立させた。

 この11法案の最大の問題は、集団的自衛権の行使を可能とすることである。戦後70年もの間、憲法9条にもとづき「集団的自衛権は行使できない」としてきた歴代内閣の憲法解釈を、時の内閣の一存で勝手に変更することは断じて認められない。立憲主義の破壊であり、独裁政治の始まりである。

 また、多くの憲法学者や元最高裁判事・元内閣法制局長官などが、「集団的自衛権行使を可能とする今回の法案は『憲法違反』である」と見解を示している。国会審議においても答弁が二転三転するなど、法案の内容も曖昧かつ不整備なことが明らかとなり、米国との約束を果たすための結論ありきである。

 さらに、世論調査では、反対や慎重審議を求める国民が約6割、政府は説明不足だとする国民は約8割となっており、各自治体議会からも反対や慎重審議を求める意見書が提出されているにもかかわらず、強行可決・成立したことは民主主義を否定するものである。

 一昨日の特別委員会では、重要法案時に必ず実施される締めくくりの総括質疑すら行わずに、国民の不安や疑問を封じ込めた。この暴挙をけっして忘れてはいけない。

 以上のことから、民主党北海道は安倍政権の戦争に参加するための「安保法制11法案の強行可決・成立」に抗議するとともに、今後も引き続き、廃止の声を上げ続け、同法の廃止に向けて粘り強く取り組んでいく。

2015年9月19日
民主党北海道総支部連合会
幹事長市橋修治

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民主党・市民連合議員団の皆様に、重ねて感謝の意を表します。

引き続き、他の会派からのご回答の公表を進めてまいります。

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